2017/03/25
【自信】点と点をつなぐ(connecting the dots)
伝説のスピーチ
元アップルCEOのスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは「伝説のスピーチ」と呼ばれ、全世界のビジネスパーソンに影響を与えたと言われています。
このスピーチの中で、ジョブズは3つの話をしています。その3つの中で私が特に印象に残ったのは、「点と点をつなぐ(connecting the dots)」という話。これはコツコツ流に通じる話でもあるんです。
ある日、ジョブズは通っていたリード大学を中退します。なぜ中退したかというと、リード大学は学費が高く、このままでは両親が必死に蓄えた貯蓄を使い切ってしまう恐れがあったからです。勉強している内容も自分にとって必要とは感じられず、そんなものに両親が生涯かけて貯めてきた貯蓄をつぎ込んでしまうべきではない、とジョブズは思ったのです。
ここからが面白いのですが、中退したジョブズは、その後も大学に残り、授業に出続けます(笑)。退屈な必修科目ではなく、当時興味があったカリグラフィーの授業に潜り込んだのです。
カリグラフィーとは西洋や中東における、文字を美しく見せる手法のこと。リード大学はこの分野において国内最高の教育をしている大学だったのです。
マックの美しい文字の起源
ジョブズは、カリグラフィーの授業に出て、美しい文字の作り方、文字の組み合わせ(タイポグラフィー)や字間のスペースなどについて、深く学びました。この知識が、後にアップルでマッキントッシュ・コンピューターを開発する時に大いに役立つことになります。マックは美しいタイポグラフィーを備えた初めてのコンピューターになったのです。
「もし、私が大学でカリグラフィーの授業にもぐりこんでいなかったら、マックが複数の書体やプロポーショナルフォントを持つことは無かったでしょう」とジョブズは言います。
つまり、「カリグラフィーの授業に潜り込み、そこで書体や文字の組み合わせについて学んだ」という点が、後の「美しい書体を持ったコンピューターの開発」という点に結び付き、マックという素晴らしい成果物を生み出したのです。
これは後から振り返ったときに、初めて分かることです。その時は未来につながると予見することはできない、というのがミソ。
ジョブズは「将来を見据えながら点と点を結ぶことなどできません。できるのは、振り返りながら点と点を結ぶということだけです。ですから、皆さんは点と点が何らかの形でつながると信じるしかないのです」とスピーチの中で学生たちに語り掛けます。そして、
「点と点が将来つながると信じることで、たとえそれが人並みの人生街道から外れることにつながろうとも、自分の心に従うことに自信が持てるようになる」と続けます。
振り返った時、点と点はつながる
私たちは、コツコツ続けたいと思ってやり始めてもなかなか成果が出ず、「こんなことやっていていいのだろうか?」と不安になることがあります。多くの人が継続できずに挫折する原因はここにあります。
しかしジョブズは、それが自分がやりたいと思うことならば、その気持ちを信じ、自身を持て、と言います。いつかその点が将来の点とつながるのだから、と。
やっている時は、将来は見通せない。しかし振り返った時、点と点がつながるのです。
これは言い換えると、「人生において無駄なことはひとつもない」、ということなのだと思います。
自分が今やっている「点」は、将来どんな「点」と結びつくのか。
信じてコツコツ頑張ります。
~コツコツ流のオキテ 其の四~
①現時点では不安だったとしても、自信を持て。
②将来振り返った時、その点は何かの点と必ずつながるから。
参考:スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ&プレゼン