2017/04/11
【重要】面倒くさくて遅くてちょっとずつしかできないものって?
仕事をするうえで「信用」は無くてはならないもの。
いくらお金があっても、実力があっても、第一印象が良くても、信用が無い人には仕事を頼みたくありません。
どうもあの人には(あの会社には)仕事を頼みたくないねと感じる時、そこに信用がないから、ということはよくあります。
では、信用を得るためにはどうすれば良いか。それを今回は考えてみましょう。
得ようと思って得られるものではない
雑誌「SWITCH」(2017年3月)の中で、糸井重里さんが「信用」について語っています。
信用というのは仕事をする上でものすごく大事なこと。だから、どうやったら信用が得られるのか、誰しもが知りたいと思います。
しかし糸井さんは、「『どうやって信用を得よう』というところを前面に出して生きちゃうと、信用を得られない道に突っ込んでしまう」と言っています。
つまり、信用は得ようと思って得られるものではないのだ、と。
口で「言ったこと」では全く信用は得られません。「やったこと」「やり続けたこと」でしか信用は得られません。
口で言うのは1秒ですが、実際にやるには時間がかかる。口だけ立派で行動が伴っていない人が信用された例はない。本人は誤魔化せたと思っていても、周りの人は見抜いている。
糸井さんは、「できるまでに時間がかかる」という意味合いで、信用は農業的だ、と言います。水をあげたり肥料を上げたり毎日ケアしていないと、すぐにダメになる。「信用」という作物をコツコツ育てていくしか道はないのだ、と。
糸井さんは続けます。
「まあとにかく、大変めんどうくさくって遅い、ちょっとずつしかできないものが信用なんです。あの時にいっぺんに信用を得たね、なんていう信用は、いっぺんに消えてしまう」
めんどうくさくて、遅い。ちょっとずつしかできない。
それが信用。とても農業的。AとBを足してガチャンとやればCができあがるというような工業的なものではない。
しかしこれ、現代人がもっとも嫌いなものじゃないですか?苦手というか、もしかしたら、そんなことカッコ悪いとさえ思っている人もいるかもしれません。
簡単便利で超早い。ワンタッチで一発OK。そういう方法がどっかにあるはず。コツコツやるなんてバカじゃない?・・・と。
いえいえ。むしろこういう世の中だからこそ、積み重ねることでしか得られない農業的な「信用」の重みがさらに増していくのだと思います。
蒔いたものしか刈り取ることはできない
信用は農業的、という糸井さんの言葉で思い出しましたが、世界的ベストセラー、スティーヴン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」の中には「農場の法則」というものが出てきます。
コヴィーは博士は、人間関係においても、人の成長においても、テクニックで人を動かすことはできないと言っています。これらは自然のシステムであり、農場の法則が支配しているのだ、と。
「農場で場当たり的な詰め込み主義で作業することの愚かさを考えてことがあるだろうか。――春に種まきを忘れ、夏に遊びほうけて、秋になってから収穫を得るために必死になって頑張る--。農場は自然のシステムである。必要な務めを果たし、作業を行わなければならない。蒔いたものしか刈り取ることはできない。そこに近道はない」
人から信用されるのも、それに足る人間に成長するのも、時間がかかる。ちょっとずつ、積み重ねていくことでしか、手に入らない。
糸井さんも、コヴィー博士も、同じことを言っています。
日々の仕事を農業的に積み上げた人だけが得られるものが信用。ビジネスでも人生でも、これをたくさん集めた人が幸せになれる。
死ぬまでにどれだけ信用のある人間になれるか。
こんな目標もいいかもしれませんね。
~コツコツ流のオキテ その七~
大変めんどうくさくて遅い、しかもちょっとずつしかできないものが、信用。