「コツコツ」が才能を磨き、「コツコツ」が達成をもたらす。

2019/01/12

コツコツのコツ

 

 

コツコツと継続することの重要性は分かっても、それを実行しようと思うと、これがなかなか難しい。自分的に盛り上がってやり始めるものの、すぐに冷めてしまい、気が付くとやめている。いわゆる三日坊主。

 

 

 

コツコツとやり続ける人が称賛される裏には、コツコツと続けるのは意外と難しいということを、多くの人が自己の体験から身をもって感じているからなのだと思います。

 

 

 

では、どうしたら続けることができるのか?今回はこれについて考えてみたいと思います。

 

 

 

■目的を明らかにする

 

 

まず、なぜそれをやるのか?という目的をはっきりさせることはとても重要です。目的がはっきりしないまま始めると、少しでも障害にぶつかると、たちまち心が折れてやめてしまいます。

 

 

 

例えばダイエットのために毎日ジョギングする、という目標を立てたことがある人は少なくないはずです。しかし、なぜダイエットをするのか?という目的が明確でなかったり、達成への意欲が低かったりすると、雨が降ったり、寒かったり、飲みに行ったりなどの障害ですぐにやめてしまうことになります。

 

 

 

私の場合で恐縮ですが、私も週に3~4回のウォーキングとランニング(あわせて30分程度)、週1回のスイミング1キロを目標として掲げており、前者はすでに10年、後者も2年以上継続しています。この目的は、やはりセミナーなどで人前に立つ仕事をしているので、イケメンでもなくスタイルも良くない自分が、少しでも見栄えを良く見えるように、と願うからです。

 

 

 

これは仕事に直結していて、少し大げさに言えば、サボったり途中でやめてしまうと自分の仕事がうまくいかなくなり、ひいては家族の生活に影響が出る、という危機感にもつながっています。

 

 

 

目的をはっきりさせ、その達成意欲を強めるためには、この危機感をうまく利用することも大切です。性格による個人差もありますが、「楽しいこと」を得ようとする意思よりも「つらいこと」を回避しようとする意思のほうが強いと言われているので、これを活用するのです。危機感を活用すると、目的・目標に対してより強くコミットすることができます。

 

 

■席を決める

 

 

やるべきことを継続してやるためには、「それをいつやるのか?」決めておくことが重要です。「これをやったほうがいいな」と思っても、「いつやるのか?」が決まっていないと、絶対に始まりません。「いつかやる」とか「時間ができたらやる」というのは、「やらない」ことの言い訳としては最強です。

 

 

 

「何月何日のあるいは毎週〇曜日の、何時からやる」ということを決めておくことで、まずはやり始めることができます。そして毎月、あるいは毎週その時刻に決めた行動を実施していきます。これを何度か繰り返し、その時刻になったら自然と体が動くようになればしめたものです。

 

 

 

さらに続けると、その時間になってもやっていない自分に居心地の悪さを感じるようになります。ここまでくれば完全に習慣化できたと言えます。

 

 

 

このように、ある行動を同じ時間にやる癖付けをすることを「席を決める」と呼びます。自分のスケジュールの中に席を決めて、その時間になればその席について、その行動を実行する、ということです。

 

 

 

ちなみに私事で恐縮ですが、私が710週間以上継続発行している週刊メルマガ(メールマガジン)は、毎週金曜日の朝8時に配信しています。ですので、前日の木曜日の夜が「メルマガを書く席」になっています。これを710週間毎週やってきたので、もうこの席に着くのを忘れるということはありません。風邪をひこうが、お正月だろうが、旅行にいってようが、木曜日の夜は私にとって特別な時間となっています。

 

 

 

このメルマガを続けてきたことが、私の「信用」を少なからず補完してくれたことは間違いありません。内容を褒められることもありますが、それ以上に継続していることを褒められることも多いです。これをやめると信用が傷つくという危機感から、この席に着くことを710週間(13年間超)1度もサボらず、続けています。そしてこのメルマガの継続が私に自信と信用を与え、仕事において大きなプラスをもたらしてくれています。

 

 

 

■自分との約束

 

 

 他人との約束を守らないと信用を失います。仕事関係はもちろん、友人や家族との関係においても、約束を守らない人は信用されず、社会生活をうまく送ることができなくなります。ゆえに、私たちは他人との約束を極力守ろうと努力します。

 

 

 

 しかし、自分との約束はいとも簡単に破ります。「毎日、資格の勉強を1時間やろう」とか「毎朝早起きをして読書をしよう」などと決めても、簡単にこの決めごとを反故してしまいます。なぜでしょうか?

 

 

 

 それは、誰にもバレないからです。バレないから、ばっさりと約束を破るのです。人間は社会的な存在なので、反社会的な行動にはブレーキがかかります。社会における自分の立場が危うくなることを無意識に避けようとするのです。一方で、社会的に制裁を受けないことに関しては、やすやすとやってしまいます。それが自分との約束を簡単に破るという事態を引き起こしています。

 

 

 

しかし、自分との約束を破ると、自分の心は知らない間に傷つきます。「またサボってしまった」「また三日坊主だ」という思いが、小さくとも、積み重なっていき、自分にダメージを与えます。そのダメージが自分の自信を失っていきます。自分との約束を破ってばかりいると、自分に幻滅し、自分を信じられなくなり、自信を持てなくなります。

 

 

 

過信や妄信は論外ですが、人間にとって適切な自信を持つということは、仕事をするうえでも、あるいは生きていくうえでも、とても重要なことです。「自分らしくいる」ことの重要性は世界中で唱えられていますが、自分らしくいるために最も大事なことは、自分に自信を持つということです。

 

 

 

どんな小さなことでも良いのです。毎日トイレ掃除するとか、毎週1回ブログを書くとか、毎月1回、新規の見込み客と面会するとか。これを積み重ねていくと、自信がついてきます。自分はこれをやり続けているんだという自信。約束をずっと守り続けているという自信。この小さな自信が自分の思考や行動を支え、それらが私たちを成果へと導いてくれます。

 

 

■例外を認める

 

 

何かを始めたものの、どうしてもできないことはあります。「そういう時にはやらなくてもいい」というルールを決めておくことで、やめずに続けることができます。あまりに厳格に自分を縛ると、やれなかったことがストレスになり、自分の気持ちをダウンさせてしまいます。ある程度のユルさを許し、長期的に続けられるように柔軟性を持つことも大事なことです。

 

 

 

先に私は週に3~4回のウォーキングを10年以上続けていると書きましたが、当初は毎日やるつもりで始めました。しかし、仕事で遅くなることもあるし、天候がひどく荒れることもあります。あるいはもっとシンプルに気が乗らない日もあります。そういう時は「例外ルール」を適用し、やらなくて良いことにしてあります。ですから、週に2日の時もあるし、週に5日やる時もあります。平均すると週に3~4回になっています。

 

 

また、「今日はちょっとやりたくないな」と思う時でも、「とりあえず10分だけやろう」と決めて外に出るようにしています。外に出て歩き出してしまえば、結局いつもの30分のメニューをフルでこなすことができます。やりはじめさえすれば、続けられるのです。

 

 

 

心理カウンセラーで著述家の植西聡氏は、「『考える』ことと『行動する』こととの間にあまり距離を置くべきではない。恐怖や不安といった否定的な感情はこのすきまに繁殖するのである」と言っています。

 

 

 

ですから、第一歩を踏み出すことだけに集中し「とやかく考えずに少しだけでもやってみる」という姿勢でいることは、「やりたくない」という否定的な感情を排するためにで非常に重要です。

 

 

 

■自分で自分の背中を押す

 

 

さて、何かに取り組み、何かを成し遂げようとするためには、日々やるべきことをコツコツと積み上げて行かなければなりません。その時、当然ながら実行するのは自分です。誰に相談しようとも、誰から励まされようとも、最後の最後、未知の世界へ第一歩を踏み出すのは自分自身です。自分の背中は、自分で押さなければ、前に進みません。

 

 

 

友人や知り合いに励まされたり、本やセミナーによってモチベーションが高まることもあります。しかし、それらはあくまで間接的・外的なもので、直接的な内的パワーに勝るものではありません。

 

 

 

ある国のことわざで「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を呑ませることはできない」というものがあるそうです。外的なアドバイスや励ましで一定の行動への動機づけになったとしても、最後の最後、本当の行動に移すためには自分で自分の背中を押すしかありません。

 

 

 

この「自分で自分の背中を押す」という言葉は、キャシー中島さんがテレビで使っていた言葉です。キャシーさんは長女を亡くし(享年29歳)、悲しみのどん底に突き落とされました。そんなキャシーさんに対して周りの人たちは慰めたり励ましたりしてくれたそうです。しかし、「最後は、自分で自分の背中を押さなければ前に進めないのです」とキャシーさんは言います。人間が悲しみや不安の中から前に進むためには、他人からの励ましではなく、自分で自分を押す力が必要なのだということです。今、彼女はハワイアンキルトで大成功しています。その裏には、自分で自分の背中を押して前に進んで来た意思の強さがあります。

 

 

 

私の妻は、私が脱サラして資格勉強に没入し、失敗し、その後起業してから現在に至るまで、いつも応援してくれています。しかし「最後は自分だろ」ということはいつも言っています。だから、「頑張れ」とか「あなたならできる」とか表面的な励ましの言葉は一切言いません(笑)。自分の問題は自分で解決しない限り、真の解決にはならないことを知っているからです。

 

 

 

コツコツの最大のコツは、自分のことは自分でカタをつける、と肝に銘じることかもしれません。

 

 

 

~コツコツ流のオキテ その二十五~

★コツコツのコツは、自分のことは自分でカタをつけること。

 

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2017/08/09

【重要】コツコツ流は、嘘つかない

 

コツコツ流のマニフェスト

 

 

コツコツ流は、自分ができる小さな努力を積み重ね、少しずつゴールを目指すやり方です。

 

 

ビジネスマンであれば仕事のやり方、

学生であれば、勉強やスポーツのやり方、

芸術に携わっている人であれば、創作のやり方です。

そして時には、生き方でもあります。

 

 

私たちは、あっという間に高い目標を達成する人に憧れを持ちます。

そういう人は天才と呼ばれ、そして悲しいことに、僕たちは天才を崇拝しています。

世間は天才のやり方に関心を持ち、コツコツと努力している人のやり方にあまり関心をもちません。

 

 

誰しも自分は特別だと思いたい。だから何がしかの才能によって、軽々と、颯爽と、スマートに、大きな成果を達成することを望む。それがカッコいいと思う。それに憧れてしまう。

例えば、勉強していないように見せて、テストで高得点をとってしまう人とかに。

 

 

テレビやネットを見ていると、短期間で成功した人が溢れているように見える。

しかし現実は違う。天才のように見える人は外からはそう見えるだけで、裏では相当な努力を積み重ねている。この事実を知らなければならない。

 

 

コツコツ流は、一攫千金を望みつつ、そのやり方では目標に辿り着けなかった人たちが戻ってくる場所でもあります。

 

 

コツコツやりなさい。ひたすら積み重ねなさい。

 

 

若い人から見れば、地味で退屈でカッコ悪いかもしれない。

でも大人になったとき、きっとコツコツ流のカッコよさに気づくでしょう。そういう大人の生き方に共鳴するでしょう。

 

 

あなたのまわりにいる、成果を出している人に聞いてみてください。

成功するためにはどうしたらいいか?と。

その人が大人であればあるほど、きっとこう言うでしょう。

 

 

「コツコツやりなさい。正しいと思ったことを、繰り返しやりなさい」

 

 

世の中には(特にSNSの中には)、

「見せかけの輝き」や「みにくい虚栄心」が溢れています。

 

 

しかし、あなたには関係ない。もっと自分を見つめ、自分を知り、自分ができることをやらなければいけない。

 

 

コツコツ流によって、才能は磨かれて輝きを増し、コツコツ流によって周りからの信用が得られます。

才能と信用は、積み重ねによって育てられ、僕たちをゴールに近づけてくれます。

 

 

才能の輝きも、周りからの信用も、一朝一夕には得られません。それを実はあなたが一番よく知っているはず。自分を信じ、自分ができるほんの少しの頑張りを積み重ねなければならない。

 

 

コツコツ流は嘘をつかない。コツコツ流は裏切らない。

 

 

コツコツ流が、あなたに自信を与え、あなたを目標地点まで連れて行ってくれます。

 

 

コツコツ流家元 豊田礼人

 

 

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2017/07/05

【重要】彼が言うように、コツコツ修行は無駄なのか?

 

 

堀江貴文さんは、直近の著書「多動力」の中で、「1つの仕事をコツコツやる時代は終わった」と言っています。

 

 

本当に終わったのだろうか?

 

 

私も読ませて頂きましたが、これ以外にも刺激的な言葉がたくさん出てきます。

 

「寿司屋の修行なんて意味がない」

 

「見切り発車は成功のもと」

 

「飽きっぽい人ほど成長する」などなど。

 

とにかく「石の上で3年我慢出来たら次の仕事を教えてやる」なんていう親方や上司の言うことなんて信じず、「オープンイノベーション」の時代なんだから、必要な情報を集め、自分でどんどんチャレンジしてしまえばいいじゃん!という主張です。例として紹介している寿司屋さんは、3か月の修行で寿司職人の技術を身に着け、開いたお店がミシュランガイドに掲載されたそうです。だから修行とかやっている奴は無駄!と。いかにも堀江さんの好きそうなエピソードです。

 

 

物言いは過激ですが、時間は限られているんだから既成概念や会社のルールに縛られず、自分のやり方で失敗を恐れずやりなよ、というメッセージなのだと受け取りました。これには賛成です。

 

 

レアカードになる方法

 

で、この本の中で、元リクルートの藤原和博さんの話が出てくるんです。それは「レアカードになる方法」というモノです。レアカードといのはレアな(希少な)カードで、カードゲームに興じる子供たちの間で使われる言葉です。(うちの小学生の子供たちもアニメのレアカードに夢中です)

 

 

その「レアカードになる方法」とはどういうことか。ちょっと紹介します。

 

 

①まず一つのことに1万時間取り組めば誰でも「100人に1人」の人材になれる。

1万時間は1日6時間毎日やったとして5年間(1日3時間なら10年間)。1日の時間にもよりますが、5年から10年の間、一つの仕事を集中してやれば、同分野で突出した人材になれる。

 

 

②次に、軸足を変えて別の分野でさらに1万時間取り組む。

すると、「100人に1人」×「100人に1人」の掛け算で1万人に1人の人材になれる。

 

 

③さらに別の分野でもう1万時間取り組めば、「100人に1人」×「100人に1人」×「100人に1人」で100万人に1人の人材になれる。

 

 

というものです。

 

 

100万人に1人の人材になれれば、仕事に困ることはないでしょう、というのが藤原さんの主張。この主張をを堀江さんは本の中で紹介し、次から次へと別の分野に手を出せば、いずればオンリーワンの存在になれる、と言っています。

 

 

なぜ1万時間なのか?

 

堀江さんはこの「1つの分野で1万時間」を紹介しつつ、本を読んでいると、もっと短期間で次に行け!というメッセージに聞こえるのですが、そこはまあいいでしょう。

では、なぜ1万時間の間ひとつのことに取り組むと、他から突出したスキルを身に着けられるのでしょうか。

 

 

これは、『天才!成功する人々の法則』【マルコム・グラッドウェル著(原題「OUTLIERS  THE  STORY  OFSUCCESS」)】に書かれていて、藤原さんもこの本を参考にして「レアカード」論を展開しています。

 

 

 

この本は、「天才」と「訓練」との関係性について書かれています。

 

 

 

それまで、世界中の心理学者はある疑問について盛んに論じてきました。それはこんな疑問。

 

 

 

「生まれつきの才能はあるのか?」

 

 

 

答えはイエス。ある。しかし、心理学者が才能のある人間の経歴を調べれば調べるほど、持って生まれた才能よりも、訓練の役割がますます大きく思えるのだ、と言っているそうです。

 

 

 

そして著者のマルコムはこう述べます。

 

 

 

「複雑な仕事をうまくこなすためには、最低限の練習量が必要だという考えは、専門家の調査に繰り返し現れる。それどころか専門家たちは、世界に通用する人間に共通する「魔法の数字(マジックナンバー)」があるという意見で一致している。つまり1万時間である」

 

神経学者のダニエル・レヴィティンはこう言います。

 

 

「作曲家、バスケットボール選手、小説家、アイススケート選手、コンサートピアニスト、チェスの名人、大犯罪者など、どの調査を見てもいつもこの数字が現れる。(中略)1万時間よりも短い時間で、真に世界的なレベルに達した例を見つけた調査はない。まるで脳がそれだけの時間を必要としているかのようだ。専門的な技能を極めるために必要なすべてのことを脳が取りこむためには、それだけの時間が必要だというように思える」

 

 

そしてこの本では、1万時間をこなすために必要な期間を10年と言っています。10年間、1つのコツコツと積み重ねると、突出した存在になれるのだ、と。

 

 

 

デビューから29連勝の新記録を打ち立て、日本中を湧きあがらせた驚異の中学生、将棋の藤井聡太4段。藤井さんは5歳から将棋を始めたそうです。今14歳だから将棋歴は9年。つまり(おそらく)約1万時間の訓練を積み重ね、才能を開花させたのでしょう。「1万時間一流説」に符合します。

 

 

1000段の階段をどう上る?

 

堀江さんの本に戻るのですが、面白いのは、堀江さんはコツコツやるなんて時代に合わないと言いつつリクルートの藤原さんの「1万時間」の話を紹介しています。一方、その藤原さんは「1歩1歩クレジット(信任)を積み上げれば夢は現実になる」と言っています。つまりコツコツやっていけよ、と。

 

 

堀江さんの真意がどこにあるか分からないのですが、個人的には藤原さんの主張には納得感があります。

 

 

藤原さんの本を読む限り、藤原さんは基本的には「コツコツ」を薦めています。

 

 

藤原さんは1000段の階段があるビルの頂上を目指すならば、1段1段着実に上っていけ、と言います。堀江さんだったら、頭とお金を使って、ヘリコプターでビルの上空に連れていってもらい、天から舞い降りた方が早い、というかもしれません。

 

 

でも、その日、台風が来て、ヘリが飛ばないかもしれない。その日、ヘリが故障するかもしれない。そうなると天気任せ、運任せの部分が出て来る。だったら、自力で、1段1段、確実に上って行った方が良いのではないか?と藤原さんは言うのです。

 

 

 

私もまさに、藤原さんの考え方に賛成です。コツコツ流では、1段1段積み重ねていく行為そのものが尊いと考えます。ヘリで一瞬で頂上にいくよりも、1段1段踏みしめていくことに価値を置き、それがスキルを上げ、自信を育て、人からの信用を築くのだと信じます。

 

 

信任を積み上げる時間は短縮できない

 

寿司屋で10年修行するのは無駄が多いかもしれません。寿司の握り方マニュアルを読めば、一瞬にして分かることも多いのでしょう。だから3か月で寿司職人になれるのかもしれません。

 

 

しかし。

 

 

10年間修行したからこそ「見える領域」、「理解できる感覚」、「気づける違い」もあるはずです。そこに、一流の人になれる秘密が隠されているのだと思います。私が尊敬するベーカリーの経営者は「パンの味に人間性が出る。だから人間を磨かなければならない」と真剣に言っています。途方もなく続くトライ&エラーの繰り返しの中で、スキルの違いが生まれ、人間性が磨かれるのです。

 

 

つまり「熟成」です。熟成が生み出す「数値で表せられない何か」こそが、本物とそれ以外のものを分けるのではないでしょうか。

 

 

そしてすごく重要なことがもう一つ。それは、「信用」に関することです。

 

 

スキルについては、もしかしたら堀江さんの言うように、正しいやり方さえ分かれば3か月で身に着けられるものもあるかもしれません。しかし、「信用」は3か月では得られません。信用は言葉巧みに「私を信用してください!」と言ったところで、信用されるものではありません。そして、ビジネスをする上で「信用」というのはスキル以上に重要なものです。

 

 

藤原さんは、信用を「クレジット」という言葉に置き換えて、こう説明しています。※正確には、藤原さんはクレジットのことを「信任の総量」と呼んでいます。

 

 

クレジットを蓄積するためには、目の前の1人を大事にして、地道に信頼と共感をゲットしていく以外に方法はありません。この時間を短縮することはできないのです。そしてクレジットが高まれば、自然と、夢が現実になる確率も高まります。信任の高い人物には応援団がつくし、資金的な援助も得られるでしょう。何より、ネットワークが川となって、流れる水のごとくにエネルギーが集まってくるからです。繰り返します。一歩一歩クレジットを積み上げれば、夢は現実になる。」(参考:「10年後、君に仕事はあるのか?」藤原和博 著)

 

 

「コツコツよりも、ヘリで目的地へひとっ跳び」したい人は、そちらへ。

 

 

1段1段着実に行きたい人は、コツコツ流へ。

 

 

ここは、流派の違い、タイプの違いです。

 

 

コツコツを愛し、コツコツを信じるあなたへ。

 

 

1段1段上り、自分なりの頂点を目指しましょう。

 

 

~コツコツ流のオキテ その十三~

信任を積み上げる時間は短縮できない

 

 

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2017/04/11

【重要】面倒くさくて遅くてちょっとずつしかできないものって?

 

仕事をするうえで「信用」は無くてはならないもの。

 

 

いくらお金があっても、実力があっても、第一印象が良くても、信用が無い人には仕事を頼みたくありません。

 

 

どうもあの人には(あの会社には)仕事を頼みたくないねと感じる時、そこに信用がないから、ということはよくあります。

 

 

では、信用を得るためにはどうすれば良いか。それを今回は考えてみましょう。

 

得ようと思って得られるものではない

 

雑誌「SWITCH」(2017年3月)の中で、糸井重里さんが「信用」について語っています。

 

 

信用というのは仕事をする上でものすごく大事なこと。だから、どうやったら信用が得られるのか、誰しもが知りたいと思います。

 

 

しかし糸井さんは、「『どうやって信用を得よう』というところを前面に出して生きちゃうと、信用を得られない道に突っ込んでしまう」と言っています。

 

 

つまり、信用は得ようと思って得られるものではないのだ、と。

 

 

口で「言ったこと」では全く信用は得られません。「やったこと」「やり続けたこと」でしか信用は得られません。

 

 

 

口で言うのは1秒ですが、実際にやるには時間がかかる。口だけ立派で行動が伴っていない人が信用された例はない。本人は誤魔化せたと思っていても、周りの人は見抜いている。

 

 

 

糸井さんは、「できるまでに時間がかかる」という意味合いで、信用は農業的だ、と言います。水をあげたり肥料を上げたり毎日ケアしていないと、すぐにダメになる。「信用」という作物をコツコツ育てていくしか道はないのだ、と。

 

 

糸井さんは続けます。

 

 

「まあとにかく、大変めんどうくさくって遅い、ちょっとずつしかできないものが信用なんです。あの時にいっぺんに信用を得たね、なんていう信用は、いっぺんに消えてしまう」

 

 

めんどうくさくて、遅い。ちょっとずつしかできない。

 

 

それが信用。とても農業的。AとBを足してガチャンとやればCができあがるというような工業的なものではない。

 

 

しかしこれ、現代人がもっとも嫌いなものじゃないですか?苦手というか、もしかしたら、そんなことカッコ悪いとさえ思っている人もいるかもしれません。

 

 

簡単便利で超早い。ワンタッチで一発OK。そういう方法がどっかにあるはず。コツコツやるなんてバカじゃない?・・・と。

 

 

いえいえ。むしろこういう世の中だからこそ、積み重ねることでしか得られない農業的な「信用」の重みがさらに増していくのだと思います。

 

蒔いたものしか刈り取ることはできない

 

信用は農業的、という糸井さんの言葉で思い出しましたが、世界的ベストセラー、スティーヴン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」の中には「農場の法則」というものが出てきます。

 

 

コヴィーは博士は、人間関係においても、人の成長においても、テクニックで人を動かすことはできないと言っています。これらは自然のシステムであり、農場の法則が支配しているのだ、と。

 

 

「農場で場当たり的な詰め込み主義で作業することの愚かさを考えてことがあるだろうか。――春に種まきを忘れ、夏に遊びほうけて、秋になってから収穫を得るために必死になって頑張る--。農場は自然のシステムである。必要な務めを果たし、作業を行わなければならない。蒔いたものしか刈り取ることはできない。そこに近道はない」

 

 

人から信用されるのも、それに足る人間に成長するのも、時間がかかる。ちょっとずつ、積み重ねていくことでしか、手に入らない。

 

 

糸井さんも、コヴィー博士も、同じことを言っています。

 

 

日々の仕事を農業的に積み上げた人だけが得られるものが信用。ビジネスでも人生でも、これをたくさん集めた人が幸せになれる。

 

 

死ぬまでにどれだけ信用のある人間になれるか。

 

 

こんな目標もいいかもしれませんね。

 

~コツコツ流のオキテ その七~

大変めんどうくさくて遅い、しかもちょっとずつしかできないものが、信用。

 

 

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