2017/04/03
【必読】新入社員よ、ダマされるな
現実は地味です。
・年収1200万円が保証される魔法の○○○!
・超速で英語が話せるようになるたった1つの方法
・新春キャンペーン年収1億円になるための3つのプレゼント
これらは最近私に送られてきたスパムメールの一部です。(本当に飽きもせず毎日送ってきますね笑)
果たして、これを真に受ける人はいるのでしょうか。
しかし、ここまでではないとしても、本屋に並んでいるビジネス書を見ると、同じような傾向の刺激的なタイトルが並んでいてウンザリすることがあります。おそらく、出版社の意向でしょう。
なぜこういうことをするか?当然、こういうタイトルすると売れるからです。でも読んでみると中身は「あれ?」という感じでがっかりさせられることも少なくありません。
現実はシビアです。もっと地味です。プロセスをすっ飛ばして結果だけを最短で得ようとしても、それは無理です。子供ならまだしも、分別のある大人が騙されてはいけません。
この「達人のサイエンス」という本は、地味な本です。
アメリカの本ですが、日本で初版が発行されたのが平成6年で、平成15年に三版発行となっていますので、爆発的に売れた本ではありません。そうでしょう。
しかし、私が最も大きな衝撃を受けた本のひとつで、ことあるたびに何度も読み返す本でもあります。
プラトーの先のマスタリー
この本では、マスタリー(達人の境地)への道を歩むことの大切さを私たちに教えてくれます。そして現代のせっかちな人たちが起こす愚かな過ちを諭してくれます。
マスタリーとは、「初めに困難であったことが、練習や実践を重ねるにしたがい、しだいに簡単で楽しいものに変わっていく不思議なプロセス」であると説明されています。一瞬で成果を求める現代社会の風潮に警笛をならしています。
この本の中で著者は、読者に「プラトー」について理解すべきだ、と強く説いています。
プラトーとは、練習や実践を積み重ねても、一向に成果が出ない期間のことです。学習高原、とも言われ、頑張れど頑張れど全く進歩が無く、進歩が無いどころか、後退してしまったかのように感じる時期のことです。せっかく何かを始めても、このプラトーの期間が耐えられず、挫折していく人が多いのです。
勤勉に練習しプラトーをエンジョイする
しかし、プラトーの存在をあらかじめ理解し、その間もあきらめずに練習と実践を繰り返すと、グンと伸びるスパートの時が訪れます。
このことを信じて努力を積み重ねられる人はマスタリーへの道へと入ることができます。つまり達人になる資格が与えられるのです。
マスタリー型の学習曲線は以下のようなものです。ご覧のとおり、実力というのは直線的に伸びていくのではなく、プラトーの時期を交えながら、段階的に伸びていくのです。
「達人のサイエンス」著者のジョージ・レナードさんは、この学習曲線を指して、「これ以外の道などありえない」と言っています。そして、
「マスタリーの旅をするには、自己の技能を磨き上げ、次の段階の能力を得ようと勤勉に練習しなければならない。そしてかなりの時間をプラトーで過ごし、その間はたとえ先が見えなくても、練習を続けなくてはならない。これはマスタリーの旅の厳粛な事実なのだ」
「マスタリーに到達するための最善の策とは何だろうか?ひとことで言えば、勤勉に練習すること。そして最初のうちはできるだけ練習のための練習をするということだ。そしてプラトーにいる時もそれを不満に思うことなく、スパートが起きた時と同様に、プラトーにいることに感謝して、その状態をエンジョイするのを学ぶことだ」
と言っています。
プロセスをショートカットする魔法の方法はない
新入社員が社会に出る季節です。
新入社員のみなさん、一瞬で年収が1200万円になる魔法の方法などありませんよ。
ただ目の前のことを、コツコツと積み上げてみてください。都合よくショートカットすることを考えるのは、一旦置いておいてください。
そしてプラトーがやってきたら、腐らず投げ出さず、そういうもんだ、と受け流してください。
練習と実践を積み重ねれば、必ずスパートのときがやってきます。
このことを信じられて、仕事に向き合えたら、あなたはマスタリーの道に入れます。
年収1200万円はその先にあるかも。
応援しています。
~コツコツ流のオキテ 其の六~
①練習と実践を積み重ね、マスタリーの道へ入れ。
②道中でプラトーが訪れるが、それも楽しむべし。