2017/09/22

【必読】最後に笑うのは「何も分かっていない人」
コツコツ流の推薦図書の筆頭ともいうべき「GRIT やり抜く力」によると、成功の秘訣は「一時的な熱中」ではなく「継続的な取り組み」なのだそうです。
ひとつのことにじっくり取り組む
偉業を成し遂げた人たちに、「成功するために必要なものは何ですか?」とたずねると、「夢中でやること」や「熱中すること」と答える人はほとんどいないそうです。
多くの人が口にするのは「熱心さ」ではなく、「ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢」なのだそうです。
なぜでしょう?
それは、仕事にしろ、プライベートにしろ、何をやるにしても、成果を生むに足るレベルのスキルに至るまでには、ある程度のプロセスと時間が必要だからではないでしょうか。
例をあげて考えてみましょう。
例えば、あなたが会社内の人に「ありがとう」と声をかけることで、コミュニケーションを円滑にし、社内の人間関係をよくしよう、という方針を決めたとします。
この場合、今まで「ありがとう」という言葉を発したことが無い人が、いきなり次の日から言えるようになるでしょうか。頭ではやろうと思っていても、なかなかすぐにはできないと思います。口の筋肉が動かないと思います。これに「笑顔で」を付け加えると、さらにハードルが高くなります。
笑顔でスムーズに「ありがとう」と言えるようになるためには、練習し、実践を繰り返しながら少しずつ慣れていき、このスキルを高めていく、というプロセスが必要です。つまり時間がかかります。
次に、あなたが笑顔で「ありがとう」と言えるスキルを身に着けたとして、すぐに職場の人間関係が劇的に良くなるでしょうか。現実はドラマのようにはいきません。これも効果が表れるまでには時間がかかります。
人間は、今まで慣れた状態を変えたくない、という心理(現状維持バイアス)を持っていますから、すぐには変わりません。ゆえに、身に着けたスキルを使ってコツコツとやり続け、少しずつ変化させていくという姿勢が重要となるのです。
自分は一生懸命に「笑顔でありがとう」を実践しているのに、なかなか周りに変化がないと、嫌になり、投げ出したくなります。「やっぱりダメじゃん」となります。しかし、ここで、やり続けられない人は、永遠に果実を得ることはありません。
笑顔でありがとうを言えるスキルを持っていても、それを途中で使わなくなってしまえば、職場の人間関係を良くするという目標は達成できません。続けなければ叶わないのです。
ですから、ものごとを成し遂げるためには、一時の熱中ではなく、「ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢」が重要だ、と偉人たちは言う訳です。
謙虚なノーベル賞受賞者
先日、「プロフェッショナル 仕事の流儀」というテレビ番組でIPS細胞の発見でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の密着取材を見ました。
番組の最後に、インタビュアーが山中教授に「プロフェッショナルとは?」と質問しました。山中教授は、
「プロとは、自分が何も分かっていないということを分かっていること。そして、それを乗り越えるために、ずーっと努力を続ける人のことだと思います」と言っていました。
「自分は分かっている」と思った時点で、おごりが生まれます。探求心が薄れ、油断が生まれ、見るべきものが見えなくなります。
自分は何も分かってないんだと思えば、謙虚な姿勢で、目標に向かって、地道な努力を積み重ねることができる。山中教授の素晴らしいメッセージだと思います。
謙虚さが無い人は、間違えます。大切なことを見落とします。人望も集まりません。結果、目標に辿り着けません。
続けることで、能力が上がる
人間は自分の持っている能力をほとんど使わずに暮らしているそうです。能力が低いのではなく、使っていないのです。では、どうすれば眠っている能力を使うことができるのか?
それは考え続けること、そしてコツコツとやり続けることです。続けることで、何がしかの結果が生まれる。それをベースにしてさらに続けると、最初は見えなかった領域が見えてきます。
ここが大事です。続けるから、次が見えるのです。階段を一歩上がると、さっきの地点からは見えなかったものが見えるのです。こうして、今まで使っていなかった能力が刺激され、能力が開発されていくのです。
ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢。
そのためには、「自分は分かっていない」と肝に銘じる謙虚さが必要。
その姿勢でやり続ければ、能力は開花し、スキルが向上し、達成という果実が得られるのです。
~コツコツ流のオキテ その十六~
じっくりと長い間、謙虚に取り組むべし。